デジタル親機館

~かつて国内で利用された林業機械と集材技術~


林業機械や集材技術の中には様々な理由から使われなくなったり,数が少なくなっていく物があります。
しかし,機械的に見て優秀な物,独創性あふれる物,歴史的に価値のある物も少なくありません。
このページではこれらの林業機械をカタログや写真,動画で紹介します。

本家「親機館」がある林業機械化センターはこちら

また、以下の皆様におかれましても資料のご協力を賜りました。ありがとうございます。
お名前の掲載をもって謝辞とさせていただきます。(敬称略,五十音順)

  • イワフジ工業株式会社
  • 中部森林管理局(記録映画「木曽山今昔」(昭和51年・長野営林局製作))
  • 北海道森林管理局
  • 水野林業

森林鉄道

  • 車両
    • ボルドウィン蒸気機関車
       動画(MPEG 10.0MB)
      ※ 記録映画「木曽山今昔」(昭和51年・長野営林局製作)より転載
    • トロリー T-34(イワフジ工業)
      森林鉄道において連絡・視察・保線・輸送・救急に用いられた軽快にして取扱いの容易な動力車(モーターカー)。1948年に登場した。
      軽合金のプレス車両を使用した車体は、重量が極めて軽く2人での持ち上げが可能。また、自動クラッチ、自動変速装置、4輪同時制動の確実なブレーキを有しており運転はとても容易であった。しかも、僅か2馬力のエンジンながら力強い搭載能力と簡便さを合わせ持つことから燃料消費に優れており経済的であった。
       
  • 森林鉄道
    • 国内最後の安房森林鉄道 (屋久島)
      林道台帳に載っている最後の森林鉄道です。(上)機関車、(下)貨車
       
       

林業機械

  • 集材機
    • Y-22 複胴巻揚機(イワフジ工業)
      1949年に登場した。軽合金モノコック構造により、従来集材機の半分以下という軽量化を実現。しかも、キャレッジの引戻し速度を従来集材機の3~4倍に高めるなど、当時としては画期的な高性能を誇る集材機であった。 また、自動遠心クラッチ、自動変速機、油圧内拡式ブレーキなど当時の集材機では見られない高機能な機構を用いることで、複雑な操作を簡素化し、疲労の減少、事故の防止、能率の向上を図っていた。
       
    • Y-32ER リモート・コントロール集材機(イワフジ工業)
      1968年に登場した世界初のリモート・コントロール式集材機。
      機械式制御が一般的な時代に油圧式制御による遠隔操作を実現した先進的な集材機で、オペレータの作業改善および安全性の確保を目的に開発された。
      しかも、中間支持通過時の速度制御や荷掛け荷卸し地点での自動停止など作業効率を飛躍的に高める高機能と、過巻制限装置や過回転防止装置、過荷重制限装置など意図せぬ動作から機械を保護する安全性を両立する先進的な集材機であった。
       
  • 自走式搬器
    • 無線操縦搬送機(和田鉄工所)
      1963年登場の世界初自走式搬器。搬器内に動力を備え荷のつり上げと走行を行う。
      かつて林業機械化センターに展示されていたが,現在は展示からはずされている。
       
    • ラジキャリー BCR-04SP(イワフジ工業)
      1984年に登場した無線遠隔操作による自走式搬器。
      構造をシンプルにできる油圧駆動方式、エンジン出力を有効活用できる自動2段変速機構など、先進的な装置・機構の採用により、小型軽量と高性能を高い次元で実現。2~3人で簡単に架設から集材・撤収までできる機動性を活かし、小面積の短スパン集材で威力を発揮した。
      また、安全性、操作性、汎用性、メンテナンス性にも優れているため林業・農業・土木などあらゆる運搬作業に広く普及した。
       
  • ミニ・バックホー
    • CT-10H(イワフジ工業)
      1970年に登場した国産初のミニバックホー。
      今では建設機械として広く普及した機械ではあるが、元々は傾斜地での階段作りや歩道作り、植穴堀り、溝掘りを目的に開発された林業機械である。
      車体幅が狭く、僅か1トンの軽量を活かし、傾斜地の多い林業の現場で活躍。しかも、ブームのスイング機構により、狭い場所での作業性を確保しながら広い掘削範囲を実現した。
      また、全油圧式で運転操作が容易なうえ故障も少なく、維持管理の面でも有効であった。
       
  • 林内走行台車
    • CT-500(イワフジ工業)
      効率化が難しく、利益を確保しにくい間伐での作業を前提に開発され1996年に登場したプロセッサ用のベースマシン(林内走行台車)。
      小型・高出力の両立と安定性・走破性の追及により、伐開幅の狭い安価で低規格な幅員2m程度の作業路上で12t油圧ショベル並みのパワフルな造材作業を実現。悪条件下でも高い生産性が期待できる画期的な林業機械であったことから、急峻地を中心に日本全国で導入された。
       
  • 固定式グラップル
    • GS-90B(イワフジ工業)
      1989年に登場し、グラップルソーのトングとミニバックホーの旋回輪を組み合わせて油圧ショベルに取り付けた固定式のグラップル。日本独自に発展したそのパッケージは、複数本丸太の木揃えが容易にできるなど、当時の揺動式グラップルでは実現し得なかった作業をこなすことができた。 作業性・汎用性・安全性が高く効率的であることから、林業におけるあらゆる作業に導入され、「日本製グラップル=固定式グラップル」と言えるほど広く普及した。
       
  • グラップルソー
    • BM-70(イワフジ工業)>
      1977年に登場した国産初のグラップルソー。
      材径70cmの大径木に対応した切断装置は、ソー位置を微調整できるソーアジャスト機構を有していた。しかも、切断速度が速いため高能率な玉切り作業が可能であった。
      また、ベースマシンとして油圧ショベルを用いるそのパッケージは、現在につながる日本林業機械の原型であり、作業性および安全性を飛躍的に向上させる革新的なものであった。
       
  • グラップルプロセッサ
    • GP-30(イワフジ工業)
      1989年に登場し、日本の伐出作業に革新をもたらした国産初のプロセッサ。
      本機の導入により、伐木造材工程の約8割を占める枝払い・玉切り作業の時間を1/8に短縮。しかも、日本の作業環境に合わせて採用した大型トングと全旋回機構により、はい積・積込等のグラップル作業がこなせるため、造材以外の付帯作業でも威力を発揮した。
      また、キャビン内での運転操作は労働災害の軽減および作業環境の改善という面で大きな効果をもたらした。
       
  • トラクタ
    • T-50ホイール式ロギングトラクタ(イワフジ工業)
      1949年に登場し、伐出作業に革新をもたらしたホイール式ロギングトラクタ。
      低圧大型タイヤによる総4輪駆動方式と揺動式の前車軸および片輪空転防止のノースピン装置により、大きな牽引力と抜群の走破性を両立。しかも、狭い林地での走行に優れたアーティキュレート方式による操向装置と、時速27kmの速い走行スピードにより、高い運材性能を発揮。その高い能力は受け継がれ、本機以降全6クラスをシリーズ展開。日本全国に広く普及した。
       
    • CT-25トラクタ(イワフジ工業)
      1955年に登場した国産初の林業用トラクタ。
      奥地林へ容易に導入できる小型軽量ボディと低接地圧、高地上高といった特徴から、軟弱地や林地走行で威力を発揮。しかも、二重差動方式の操向装置により運転・取り扱いが容易で、急坂下降時の操縦性にも優れていた。
      また、ウインチなど様々な作業機を取り付けられることから、林業の他、土木、農耕、船内、港湾ヤードなど幅広い作業で活躍した。
      なお、本機は文科省事業の南極昭和基地建設にも使用された。
       
  • 林内作業車
    • FT-2 
      1966年国産初のホイール式スキッダとして登場。
      親機館に1両だけ展示保存されている。
       
    • デルピス 
      昭和40年代前半に開発された。
      群馬県を中心に普及し,林内作業車の中では唯一公道も走行できた。
      生産台数が多く,現在でも使用されている機体が残っているようである。
      また,親機館に1両展示保存されている。
       
    • 島津号 
      1977年頃に小型運材車が各社より市販された。
      この機種もその中の一つ。
      現存車両は無いと考えられていたが、現在でも使用されている機体が残っている。
       
       
    • スネーク井坂(井坂自動車整備工業) 
      1977年頃に小型運材車が各社より市販された。
      この機種もその中の1機種でトレーラを牽引し,長材が運搬できた。
      井坂自動車整備工業製なので「スネーク井坂」という。
      現存車両は無いと考えられる。
       
  • ロギングキャリア
    • LC-30ロギングキャリア(イワフジ工業)
      1989年に登場した、世界初のゴムクローラ式フォワーダ。
      グラップルローダーとウインチの装備により、木寄せ・積み込み・搬出が一人でできる短幹材搬出用の運材車。
      低接地圧のゴムクローラと揺動式トラックローラによる足回りは不整地走行性に優れるうえ、低重心化にも効果を発揮。丸太積載時の安定性・走破性に優れていた。
      ゴムクローラ式という現在につながる日本型フォワーダの原型を作った革新的なモデルであった。
       
  • 伐倒器
    • カッティングブレード
      パイロットフォレストを造成するにあたって伐倒に使用された。
       

  • 地拵え機
    • フォレストマイティー(佐藤製作所)
      パイロットフォレストを造成するにあたって地拵えに使用された。
       
    • ロータリーカッター(西ドイツ:エーベルハルト社)
      パイロットフォレストを造成するにあたって地拵えに使用された。
       
  • 耕耘機
    • ローターベーター(イギリス:ハワード社)
      パイロットフォレストを造成するにあたって耕耘に使用された。
       
  • 溝切機
    • ディッチャー(小西農機)
      パイロットフォレストを造成するにあたって溝切に使用された。
       
  • 穴掘り機
    • オーガー
      パイロットフォレストを造成するにあたって植林時に苗を植える際に使用された。
       

    • ポストホールデカー(イギリス:ロボット社)
      パイロットフォレストを造成するにあたって植林時に苗を植える際に使用された。
       
  • 根切機
    • ルートカッター(小西農機)
      パイロットフォレストを造成するにあたって根切りに使用された。
       
  • 植付機
    • ツリープランター(イギリス:スモールフォード社)
      パイロットフォレストを造成するにあたって苗木の植付に使用された。
       
  • 散布機
    • モルキュレーター(共立農機)
      パイロットフォレストを造成するにあたって施肥や薬剤の散布に使用された。
       
  • 枝打ち機
    • ロボット439(よさく) 
      1980年頃に登場した国産自動枝打ち機
      林業機械化センター「親機館」に展示保存されている。
       

木材集材・搬出技術

  • 修羅
     動画(MPEG 4.1MB)
    ※ 記録映画「木曽山今昔」(昭和51年・長野営林局製作)より転載
    丸太を樋のように並べ,その上で丸太を滑走させ下方へ送る。
    この動画では曲線部に設けられた「うす」の映像が中心
  • 木馬
     動画(MPEG 5.7MB)
    ※ 記録映画「木曽山今昔」(昭和51年・長野営林局製作)より転載
    木馬に積んだ木材を人間が制動をかけながら下る。
    この動画では曲線部を通過する際に木馬を担いで上る作業員とすれ違う様子がうかがえる。
  • インクライン
     動画(MPEG 7.5MB)
    ※ 記録映画「木曽山今昔」(昭和51年・長野営林局製作)より転載
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