2012年度(宇都宮大学)

開催日

2012年3月29日

場所

宇都宮大学 基盤教育B棟 1階 1121号室(A 会場)

シンポジウムテーマ「栃木県における森林資源フル活用に向けた取り組み」

趣旨:

栃木県の森林面積は,349,228haで県土の54.5%を占めている。そのうち人工林は156,763ha(44.9%),蓄積では42,255,000m3(62.4%)になる。これら人工林で深刻になった間伐遅れに対応するため,平成20年4月より「とちぎの元気な森づくり県民税」を導入し,平成21年度実績で652,000千円(全体事業費の64.4%)の事業費を投入し,2,663haの間伐を実施しているが,採算性の問題から伐捨間伐の手法がとられ,県内の間伐実施面積が増加する一方で,多量の林地残材が発生し,燃料としての利用も含めた林地残材のフル活用が課題とされている。
 そこで栃木県では、平成21年度第1次補正予算「森林整備加速化・林業再生事業」を活用して,林地残材搬出者と受入者における協定を基に、林地残材受入者に購入費用の一部を補助し、林地残材の利用を促す取り組みや、間伐材の効率的な搬出方法や作業路の整備など間伐材を低コストで搬出するシステムなどを探るモデル事業を平成22年度から2年間,12か所,36haで実施している。
 そこで、本シンポジウムではまず、栃木県林業振興課より、栃木県における森林資源フル活用に向けた取り組みの概要を説明していただき、その後、受入先となる事業者よりABC材をセットで受入れ活用している(株)トーセンや、D材を受入れエネルギー利用している住友大阪セメント(株)にその活用事例を報告していただき、最後に集約化した作業現場において路網整備を行い、機械を導入して低コストで低質材も含めた素材生産を行っているたかはら森林組合に、その取り組みについて紹介していただく。
 その後、これらの発表に対して質疑応答するとともに、参加者より他都道府県での事例を紹介してもらいながら、今後の森林資源フル活用に向けた取り組みについて議論していただく。

講演:

大野英克(栃木県林業振興課木材利用推進班 副主幹)
   「栃木県の森林資源フル活用に向けた取組み」
東泉清寿(株式会社トーセン 代表取締役社長)
   「母船式経営に基づくABC材全量利用への取組み」
星野春彦(住友大阪セメント株式会社 栃木工場環境課長)
   「セメント工場における木材の燃料利用について」
小川修市(たかはら森林組合 参事)
   「たかはら地区の森林施業の現況と皆伐化に向けた取組み」

 

2020年06月19日